ねえ、アルコールでハイになった僕を見るのは嫌いか。破滅的なジョークを口にする僕が嫌いか。サーカスは嫌いか。始めから終りまで、一から十まで、生きてきた意味を全てご破算にしよう。悲しい夜を幾夜も越えて、彼らの正しさを否定しよう。

 人はただ、笑っておればよいのだ。でもそれができないから、泣く。夢の痕跡を追っていくと、見たくないものばかり見えて知りたくないものを知る。そんなものも、目をそむけて、笑っておればよいのだ。

 何も無い乾いた荒野に掘立小屋と、巨大な掘削機がぽつりと立っていた。

「あとどれくらい掘り進めばいいだろう?」

「掘削深度、92メートル。」ノブが報告する。

 ノブと僕と、その他数人のメンバーで掘削作業を進めていた。