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行動を開始した瞬間、ばらばらになったわたしの方割れがわたしの中に現れる。わたしを無能だと断罪したわたしと、自己を放棄したままのわたしと、いずれにせよわたしは何処にもいないのだ。“無能”なわたしも、“有能”なわたしも自己を統治することに失敗した。どちらのわたしも、互いに別個で極端な目的のために構築された。互いの理論と感情が相容れない。どちらもその理想へのアプローチにあからさまな欠点、いびつを有する。理想の存在を否定するべきなのだ。誰にも省みられず喪ったものを忘れるべきなのだ。彼らは君の中でもう、生きてはいない。どちらも最期には消えてなくなることを望んだ。

 取り除けない欠陥が、これからも僕を苦しめるのだろう。ただ、その欠陥を憎んではいけない。否定してはいけない。誰からも、自らも。その欠陥を自覚できない人間になりたいが。だから、自己を肯定することを厭うな。その欠陥を褒めちぎれ。そこにいるのはわたしではなく、彼なのだから。その恥も、罪悪も、無能も彼の物ではない。わたしたちの業である。そいつらは、肉体の統治を放棄して眠りについた。無能の代償を受け入れた。ひたすらに、哀れだった。